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0の状態から何かを始めるにはペンと紙からすべてが始まる,みたいなことを最初に言った人は間違いなく天才だと思う.つまり,ご多分に漏れずペンの話になる.
ブルーブラック
そもそも
最初にブルーブラックの名を聞いたのは4,5年前になるけど,万年筆とかいう古めかしい遺物でのオーソドックスな何か,というくらいの認識でしかなかった.今や古めかしいと思っていたその万年筆に入れるインキは予備以外総てパイロットのブルーブラックに統一され,偶にコンバータでペリカンBBを入れるくらいだろうか.
そこで,エリート95sを買って更にその勢いが増したのだが,それ以上に大きく出てきた問題がある.どうも「薄い」ように見える.
ラミーのブルーブラック
ラミーで万年筆といえば個人的にも一度くらい持ってみたいLAMY 2000とか,あとはルクス,アルスター辺りが思いつく.が,万年筆本体の話ではなく,インキの話であって.カートリッヂなのでボトルはまた違うのかもしれないが,絶対ブルーブラックとブルー間違えてるんじゃないか,っていうくらい明るい青だった印象がある.アルスターは色々あってペン芯,ニブを除いたやつが引き出しに鎮座しているが,またこれは別の話.
万年筆によって変わるのかどうか
エリート95sとコクーン,kakunoだけなので比較対象が十分ではない,というのも確かではあるのだが,前者と後者では明らかに前者が薄い.勿論,書き出しは良いのだが,走り書きしだすと,途端に色が薄くなる.うーん.ブルーブラックといえばブルーブラックだが,濃さが足りない.
ペリカン古典BB
そういう事情もあって,ペリカンの古典BBを買ってきたのが3週ほど前.本来はプラチナ古典BBを買う予定だったのだが,行きつけの文具店ではちょうど在庫が無く,注文するしかない,とのことだった.見逃していたのが,カタログでの注文個数.1ケース10個入りで,ケース単位での発注になるらしい.これはちょっとめんどくさい(1200JPY/1個なので,12kJPY掛かる)ので,妥協してペリカンにした,というわけになる.
赤くは無いが3倍速い
他社のインキを使うことになるので,選択肢は二つ.コンバータを使うか,それとも使用済みのカートリッヂに注射器でインキを注入し,再利用する,というもの.前者を選んだわけだが,これが体感でカートリッヂの3倍速い.いや早い,の方なのか.
そんな筆記量は多くないはずなのにやたらインキを食うので,尼かどこかで広口瓶の15~20ccくらい入るやつを買おうかと考えている.今はまだ純正BBだが,書いてから2週ほど経ったノートを見ると,確かに鉄が定着してるのかかなり黒に見える.ほぼ同じ時期に書いた純正BBと比較(するのがまず間違っているが)と,濃さの点ではペリカン古典インクの方が勝る,という所か.
万年筆を使うことによる恩恵といえば
走り書きになるが,多分に万年筆を使えて良かったことはたくさんあったと思うけど,何よりの恩恵は,ペンの持ち方が少しずつ矯正出来てきたことだと思う.
特にメカニカルペンシルの類,いつもはクルトガハイグレードの0.3mmをHi-uniBかナノダイヤ2Bで使ってて,その持ち方が右手の小指側全てが紙面にベターっと付いてる持ち方だった.それが,なんとか小指の第一関節の辺りと手首の出っ張りとだけが触れるようになって,そしてその分だけ筆記時の疲労感が軽減されてきているように感じる.
そのおかげで,割と小テストとか学力考査時にも字のバランスとかが微妙に修正利くようになって,結構恩恵を感じているし,それによって万年筆筆記時でもほぼ正しい持ち方で滑るように筆記できている.まぁ,RBにはそっくりそのまま適用されるわけでは無いし,いい加減三菱鉛筆にはクルトガアドバンスのハイグレードモデルを,0.3mmで発売してもらいたいところはある.そうすれば,ギアの回転数の関係上,必需品になることは間違いなさそうに思う.
近況いろいろ
さて、8月も3週が過ぎようとしている。いろいろ事情があって句読点を、。に設定しているので、いつもと違って読みづらいかもしれない。今回の記事は、また筆記具と紙についての話題で、もう頭打ちになるだろう、という話も含まれている。
ZOOM505
1つ目は、名作といわれてるらしいZOOM505の30th記念版を買った、という話。漸く購入資金の目途が着いた、という背景もあるが、まぁそんなに良いものと評価されているなら買っても損は無いだろう、と考えて購入する。で、売り場には普通の、つまり30thではない赤とか青も置いてあったが、どうせならと30thを購入した。後から調べると、1万本くらいしか製造されてないらしいが、多分に3種合わせてではないだろう。
ローラーボールを購入したが、これがなかなか面白く、顔料インキで替えリフィルそのものにジャバラ機構が入ってるという、Vコーンを替えリフィル化したような感じのものだった。惜しむらくはその場で替えリフィルを買い忘れてきた、ということくらいか。
エリートを購入した同日に、エマルジョン搭載のフィラーレ(回転繰り出し式)を購入したのだが、万年筆のような重量感のボールペンも中々、でもローラーボールの方が書き出しからなめらかくっきりで、かつ低重心設計特有の走りだしときて、使用機会はこっちの方が増えるかもしれない。
多分頭打ち
というのも、キャップ系の筆記具は6本(kakuno、アルスター、エリート、コクーン、万年CIL、ZOOM505)であり、これ以上増やすと引き出しの中で熟成させる羽目になるので、メーカ純正のカートリッヂや瓶インキを購入しても、劣化を招くだけではないか、という懸念が出てきてるから。まぁ、サファリはもしかするとアルスターとニコイチさせる関係で購入したり、kakunoもEFが出たらしいので試しに購入することはあるかもしれないけど、そう頻繁には購入しないだろう、ということです。
原稿用紙の話
少し思う所があって、原稿用紙を20枚ほど購入し、いろいろ書き物をしている。このところ印刷用紙に印刷された似非原稿用紙しか使っていなかったこと、万年筆が文字通り滑る紙というと澪ペーパーのレポートパッドくらいしか使用していなかったが、これがまた澪ペーパーとは比べ物にならないほど滑る。久しぶり、と思って筆を滑らせた瞬間に滑り過ぎたりと、まぁこれほど書き心地が良かったのかと驚嘆した。
そしてこの最中に思ったことだが、もしかしてエリートはEFを買えばよかったのではないか、という思いがよぎる。やや寝かせて筆記体を書いてるときに字幅に妙な違和感を覚え、kakunoMニブで書いた筆記体、それと普通のひらがな・漢字を書き比べてみたものの、やはりFのはずにMの様な太さがある。コクーンFニブとも比較したが、どうも太い。客観的には同じに見えると言われたが、まだ分からないのでもう少し使ってから再評価しようと考えている。
遂にエリート95sを買った
早いもので7月ももう終わり、結構虚無感の中で過ごした日が多かった。そんな中でもやはり筆記具というのは格別で、手にした瞬間から一瞬の満足感とそして書いて分かるそれぞれの個性がある。つまり、またしても新しい筆記具を手に入れた、という事である。
遂にエリートを買う
勿論かのエリートSでは無い。復刻版にして以前から欲しかったエリート95sである。散々ブラックかディープレッドかで店頭で迷ったのだが、エリートとしての個性があるブラックと、元のエリートには無いディープレッドという(しかもキャップはブラックではなくシルバー)新しい個性を、どちらを受け入れようかで最後まで悩んでいた。
最終的に、ディープレッドを選んだのだが、やはりショートタイプだけあって重量が軽い。まずここがコクーンとの大きな違い。やはり重さに任せて書くのも良いものだが、それはボールペンの方に譲った。次に14Kであること、これは想像より柔らかかった感じで、流石にYouTubeで754万回再生されてる某動画ではないものの、鉄ペンよりはずっと強弱が付けやすいように思う。
そして、最大にしてねじ式とも違う利点を挙げるならば、バネカツラ方式に依るスムーズなキャップの開け閉めだろうか。動画では見たことがあるのだが、実物を手に取ってみると確かに音が無い。コクーンでは毎回響くパチーン!という音が無い。これなら気兼ねなく教室でも使っていける、人の邪魔になるかどうか窺わなくても済む。
いざ仙台
これを購入してきたのは仙台アエル4階、文具の社という文具店(なのか事務用品店なのか)であったが、地方の文具店と違って大規模で、また様々な筆記具も展示されてあった。その中だと、やはりシルバーンと#3776 CENTURYが印象的だった。前者はエリートと同じペン先であるし、スターリングシルバーの胴軸がかっこいいというか、美しいオーラを出している。後者はプラチナの代表的製品であるし、こちらはいろいろカラーバリエーションがあったんだなぁ、と思った。
書き味
それから少し書いたりしているが、やはり金ペンだけあって書き始めの紙に当たる感触が柔らかいというのと、アルスターでも思ったことではあるが実際軽いけれど、書いてるとそんなに違和感はない(尤も、オールキャップ&胴軸アルミとキャップだけアルミを比べるのはやや間違っている)。但し、エリートは自分から書き出そうと動かさないと滑っていかない、という違いもある。
何にせよ、結構面白いペンであるように感じたし、これから書き癖に合わせていけると思うと、今から先が楽しみに思う所である。一応これが前編で、後編では他方のボールペンの話題を取り上げる。